第84回選抜高校野球大会の出場校が27日決まり、東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島の3県すべてから選出された。
21世紀枠で出場する石巻工(宮城県石巻市)は、津波でグラウンドに流入したがれきなどを撤去しながら練習を重ね、春夏通じての初出場。部員たちは「あきらめない力を全国に伝えたい」と大舞台での健闘を誓っている。
石巻工の部員らは同校正門の前で出場決定の知らせを聞き、一斉に帽子を宙に投げて喜びを分かち合った。「極めて困難な状況を克服し、被災者を励まし続けている」が選出理由だ。
昨年3月11日の震災当日、部員らは海岸から約3キロの同校グラウンドで練習中だった。校舎3階に避難し全員無事だったが、海水が引いたのは5日後。グラウンドは厚さ10センチほどのヘドロと2トントラック約300台分のがれきに覆われた。
「野球やりてぇなら、ヘドロ全部取れ」。松本嘉次監督の呼びかけに、部員たちは泥だらけになって作業を続け、4月22日にキャッチボールができるようになり、練習を再開した。
秋の県大会中だった9月中旬には、台風15号の豪雨で再びグラウンドが冠水。今度は水草の除去に追われながらも準優勝を果たした。松本監督は「生徒たちはどんなに苦しい状況でもあきらめない強さを身につけた」と話す。
部員は全員が地元の石巻市、東松島市出身。祖母を津波で亡くした奥津庸介選手(2年)は「出場決定の瞬間、おばあちゃんの顔が浮かんだ。喜んでくれると思います」と笑顔を見せ、阿部翔人主将(2年)は「今度は僕たちが被災地を励ます番」と声を弾ませた。
posted by はつゆき at 08:00|
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